通勤で30年お世話になっている山手線。好き勝手にそれぞれの駅を漫遊しています。
今回は渋谷(しぶや)駅。
2010年頃から開始された「渋谷駅周辺再開発プロジェクト」が進行中で(計画では、2027年完了予定)
駅舎やその周辺は常に工事中のイメージがありますが、次々に開業していく新しいビルやそれに伴う、歩行者導線の変化。
また、駅前から10分ほど歩くと、静寂な住宅街の中に幾つかの神社が佇んでいるのも趣深い。
そんな"新旧合わせもつ"渋谷駅とその周辺について。
最初に記事を書いたのは2021年4月ですが、同年10月の線路切り替え工事と2023年1月のホーム一体化工事についても書き添えています。
渋谷駅
所在地:東京都渋谷区道玄坂一丁目1番1号
1885年(明治18年)3月1日:日本鉄道の駅が開業。
当時は新宿や池袋と同様に駅周辺は田園地帯が広がる東京市郊外の田舎の駅に過ぎなかったものの、路面電車や私鉄路線乗り入れに伴い沿線人口が大幅に増加。東京南西部のターミナル駅として成長しました。
1日の平均乗降客数は約330万人と、JR新宿駅に次いで世界第2位を誇ります。
改札口はメインの「中央改札、中央東改札」に加えて、ハチ公改札、南改札、新南改札と多岐に渡っていて
駅のホームも工事中
通路も工事中
つい、迷いそうになってしまいますので、お出かけの際はどうぞご注意ください。
駅自体があまりに大きすぎて、なかなか「駅舎」の姿を捉えることができませんが、西口側は昔からある「渋谷駅舎」の姿をそのまま残しています。
スクランブル交差点とハチ公
新しいビル群については、次の段落でご案内することとして、まずは「渋谷駅の名物」ともいえる、スクランブル交差点と忠犬ハチ公について。
「ハチ公改札」出てすぐのところに広がっていて、歩行者用信号が青になると、多くの人の往来があるスクランブル交差点。
赤信号のときは車往来の隙間に"横断歩道の模様"を眺めることができます。
スクランブル交差点の手前広場に佇む「忠犬ハチ公」の銅像。
待ち合わせをしている人々でごった返していることが多いですが、飼い主が亡くなった後も駅前で待ち続けている様子が銅像にも醸し出されていて、見るたびにほっこりとするものです。
再開発で次々開業した、新しいビル群
再開発で次々開業した、新しいビル群と歩行者導線の変化についてご紹介します。
渋谷フクラス
南改札を出て西口の「旧東急プラザ」がリニューアルされたのが「渋谷フクラス」
2019年12月開業、1階はバスターミナル、3階から8階が「新東急プラザ」としての各店舗、9階から16階がオフィスエリアです。
渋谷スクランブルスクエア
渋谷フクラスと向かい側に位置する、中央改札を出て東口に林立するのが「渋谷スクランブルスクエア」「渋谷ヒカリエ」「渋谷ストリーム」の3つ。
渋谷スクランブルスクエアも、商業施設とオフィスエリアで構成されています。
第1期の「東棟」は2019年11月開業。中央棟、西棟は2027年開業予定。
東棟中低層部のショップ&レストランは「若者の街」というイメージが強い渋谷の中心に位置する中、あえてターゲットを絞らず、年齢・性別・国籍問わず多様なお客さんを取り込むことにしているとのこと。
駅ビルとしては珍しくラグジュアリーブランドが充実していることも特徴。
オフィスフロアにはミクシィやサイバーエージェントといった企業が入居中です。※2021年4月現在
最上階には展望施設
向かい側のビル(渋谷ストリーム)から映した姿。渋谷エリアでは最も高さがあります。
渋谷ヒカリエ
再開発事業の中でも一番早く、2012年4月に開業したのが「渋谷ヒカリエ」
旧東急文化会館跡地にできた商業施設。ミュージカル劇場「東急シアターオーブ」も併設されています。
通路から見た姿
渋谷ストリーム
東急東横線の旧渋谷駅地上駅舎ホーム南部の線路跡地及び周辺地域を再開発して、2018年9月に開業したのが、渋谷ストリーム。
低層階はカフェ&レストラン、高層階はホテル、オフィスなどから構成される複合施設です。
東横線渋谷駅壁面にあったオブジェが通路に残されています。
エントランス
外観
やや駅前から離れているので、このビルにあるレストランはゆったりと過ごせてオススメです。
歩行者導線と東京メトロ銀座線渋谷駅
ビル群を繋ぐ歩行者導線も新しくなっていて、首都高速高架下のペデストリアンデッキ(歩行者通路)が、道路を渡らずに歩いて回ることができて便利になりました。
東口3つのビル群の位置関係はこんな感じ。
やはり再開発で位置が移動した「東京メトロ銀座線渋谷駅」もリニューアルされています。
改札口
ホーム
2021年4月現在でも、まだまだ周辺の工事は進行中です。
2021年10月 山手線運休での線路切り替え工事
2021年10月22日の終電から同月25日の始発まで、内回り電車を一部運休とし、渋谷駅の山手線内回りホーム拡幅に伴う線路切り換え工事が実施されました。
線路を人力で横に移設されたようですが、その後の様子を実際に見るとどこが変わったのかがよく解らず…なんとなく線路が新しくなった感はあります。
ホームもやや広くなった印象ですが、まだまだ工事は続いている。
「中央改札」が渋谷スクランブルスクエア前に移設されました。
2027年完成予定の渋谷駅周辺大規模再開発、今後の変化に目が離せません。
2023年1月 ホーム一体化工事
2023年1月にも一部区間を運休にして、今回はホーム移設工事が行われました。1月7日〜8日の二日間、大崎から池袋の間の外回りがクローズ。
およそ82年間使われていたという外回りのホームが撤去され、内回りのホームと一体化されました。
今回も4,000人余りにも及ぶ作業員さんたちの「手作業メイン」でのご尽力。新ホームも旧ホームもまだまだ片付中。取り急ぎ通常運行ができるようにと、夜を徹して作業されたご苦労がしのばれます。
旧通路は閉鎖
駅名標もこの時点では仮設の雰囲気
なお、今後は山手線ホームの高さを上げる工事も予定されていて、詳細は未定とのことですが、一連の改良では最後の大きな工事になるようです。
渋谷駅から歩いて行ける神社
駅前の喧騒とは打って変わって、明治通りから六本木方面に歩いて行くと、閑静な住宅街が広がっています。
界隈にある3つの神社(金王八幡宮、豊榮稲荷神社、渋谷氷川神社)は、歴史と趣のあるスポットです。
金王八幡宮
寛治6年(1092年)鎮座、御祭神は応神天皇。
本殿。私が訪れたのは4月、鯉のぼりが飾られていました。
豊榮稲荷神社
金王八幡宮の隣にあるのが「豊榮稲荷神社」鳥居の赤が鮮やかです。
渋谷氷川神社
さらに10分ほど歩いて行って「國學院大学」の向かい側にあるのが「渋谷氷川神社」
本殿。金王八幡宮と同じく、寛治6年(1092年)に創建とされていますが、詳しくは定かではないとのこと。
御祭神は、素盞鳴尊、稲田姫命、大己貴尊、天照皇大神。約4,000坪の境内には、江戸時代に興された相撲の土俵跡もあります。
最後にひとこと
渋谷駅やその周辺は見所がたくさんありますが、2021年時点での再開発後の新たなビルと、対照的に歴史と由緒のある神社に焦点をあててご紹介しました。
この記事がお出かけのご参考になるようでしたら幸いです。
山手線一周、どの駅が何区にあるか?について。合わせてコチラの記事もお読みください。