業務を上手くこなすことができず、悩んでいた部下さん。
先輩から指導を受けつつ一生懸命取り組んでいるものの、なかなかスムーズに運びません。
体調を崩してしまったり…と、少々様子が気になって言葉をかけてみます。
「その後いかがかしら?」
すると。
「私、ご迷惑をおかけするばかりだから、無理かもしれないって思い始めています」
…そこまで思い悩んでいたとは、気づくことができず申し訳ない。
彼女は在宅勤務をしているので、とにかく会いに行くことにしました。
離れているからこそ、何かあったら飛んで行かねば。
今回はそんなお話です。
人それぞれに、個性がある
このメンバーさん。いわゆる「天然」なタイプで、自己流に突っ走りやすい。
側から見ていてもそれが分かるのですが、リーダーを始め指導する側のメンバーが苦労していました。
ここで、「指摘をしても全く響かない」となってしまうならば、その適性是非を判断するしかないけれど、彼女はその都度「改善します」と答えてくれるから、イライラしているリーダーたちをなだめて、様子を見守ります。
しかし、残念ながらその後も進捗しません。
でもね。
人ってそれぞれ個性があって、フィットする業務とそうでない業務とあるものだから。
担当範囲を替えてみようかな…と考えていました。
そんな矢先。ある出来事が起こります。
先輩からの「あなたには教える側の気持ちがわかりますか?」という投げかけ
先輩が、業を煮やしてか「あなたには教える側の気持ちがわかりますか?」と投げかけてしまったのです。
いやいや。それ言葉に出しちゃダメでしょ。
指導に苦労しているのは分かる。でも言っていいこととそうでないことがある。
その出来事を知って、慌てて彼女に連絡を取りますが「ありがとうございます。大丈夫です」と返ってきます。
オフィスにいれば、その様子を直に目にして推し量ることができますが、何しろ離れたところで勤務をしている。
どうしよう…私も悩みつつ、時が過ぎてしまいます。
それでも心配だから、会いに行くことにする
一方、他の先輩から報告を受ける。
「彼女、かなり辛いみたいで…どうにも心配です」
このことを聴いて私が決めたこと。
とにかく、彼女に会いに行こう。
直に話を聴きに行こう。
あらためて連絡を取ってみると、
「私、ご迷惑をおかけするばかりだから、もう無理かもしれないです。お気持ちは嬉しいですが、忙しいねーさんにわざわざ来ていただくのも申し訳ないです。」
でも、ここはメールや電話で済ませたくない。
そうだ。いいことを思いついた。
「うちの息子が、あなたの地域の近くに住んでいてねー、ちょうど近々会いに行こうと思っていたところなのよ」
なんだかベタなセリフですが、幸いにも「それならお待ちしています」と返事をもらいました。
最後にひとこと
これから押しかけようとしているけれど。
もしかしてすでに彼女の心は決まっているのかもしれない。
でも、会いに行く。
それがベストな方法とは限らないが、そうやって部下さんと寄り添うのが私のやり方。
さて。出張の準備をするとしよう。
あ、忘れてた。息子にも会いにいくとするか(笑)
そして、会いに行った
それから3日後。
彼女の住んでいる町まで会いに行きました。
休憩時間に抜けてもらって、ほんの2時間ほどでしたが、先輩からのメールでとても心を痛めていたこと。仕事がしばらく手につかなかったこと。
正直な気持ちを打ち明けてくれました。
「でも、大分切り替えられたので、大丈夫です」そう微笑んだ姿に少し安心。
育ち盛りのお子さんとの家庭と仕事。そのために、彼女にとっては、この、在宅という働き方がとてもありがたいとのこと。
辛い思いをしていたのに気付けなかったことをお詫びし、今後のフォロー体制をさらに強化していくからね。と約束しました。
別れ際に「勇気をもらいました」と言ってくれて、私も嬉しくなった。会いに行ってよかったです。
ご近所のパスタの美味しいお店で、地元素材をふんだんに使ったランチが美味しかったなー。
その後、息子とは会わず終いでしたが、気にしない気にしない。