こんにちは。女性管理職21年の いくみ(@nesan_blogger)です。
管理職になって何年経っても、ふと思ってしまうことがあります。
「私は強くあらねばならない」
判断を求められる場面で。困難な状況に直面した時に。コミュニケーションが取りづらい部下さんと向き合う時に。
ヘコタレそうになる自分を必死に奮い立たせて、兜の緒を引き締めようとする…そんな経験、ありませんか?
でも、本当にそれでいいのでしょうか。
いいえ、上司だって弱音を吐いてよいんです。
この記事では、「強くあらねば」という思い込みから解放されて、上司としてもっと楽に、そして”いい弱音”も使いつつ効果的にマネジメントする方法をお伝えします。
「強くあらねば」の思い込みが、上司を苦しめている
管理職になると、誰もが無意識のうちに思い込んでしまいがちな「強くあらねば」
- 上司という立場は”頼られる存在”であり”チームを引っ張る存在”だから。
- 弱音を吐いたら、部下さんに不安を与えてしまうのではないか。
- 迷いを見せたら、信頼を失ってしまうのではないか。
具体的には、こんな場面で「強くあらねば」という思い込みが顔を出します。
判断を迫られる場面で、本当は迷っているのに迷いを見せられない。
困難な状況に直面した時に、内心ではヘコタレそうなのに平気な顔をしようとする。
コミュニケーションが取りづらい部下さんと向き合う時、つい逃げ出したくなるけれどなんとか頑張ろうと思う。
なのですが。
その「強くあらねば」が、実は上司自身を苦しめていることもあるのです。

上司が弱音を吐くことの効果
もちろん、「強くあらねば」という姿勢が必要な時もあります。
組織の方向性を示す時や、大切な決断をする時には、上司としてブレない軸を持つことは大切。でも、それを”いつも・常に”求めてしまうことで、上司自身が疲弊してしまうのです。
当たり前のことですが、上司だって人間です。
辛い時もあれば、しんどい時もある。迷う時もあれば、不安になる時もある。そんな時は、我慢せずに弱音を吐いたって構わないんです。
むしろ、弱音を適切に吐くことで、次のような効果が生まれます。
- 部下さんとの心理的距離が縮まる:完璧な上司より、人間らしい上司の方が親しみやすい
- チーム全体の心理的安全性が高まる:上司が弱音を吐ける職場なら、部下さんも相談しやすくなる
- 自分自身のメンタルヘルスが守られる:溜め込まずに言葉にすることで、心が楽になる
”いい弱音”3つのルール

とはいえ。
ただ感情を垂れ流すだけでは、逆効果になってしまう。
「いい弱音」のために押さえておきたいのが、以下の3つのポイントです。
「しんどい」と「だから今こうする」をセットで伝える
弱音を吐く時は、必ず次の行動とセットで伝えること。
例えば、こんなふうに。
「正直、今日は行き詰まっている。しんどい…ちょっと整えてみてまた出直そう」
「しんどい」という感情だけで終わらせず、「だから今こうする」と次のアクションを示す。それによって、弱音は単なる愚痴ではなく、”立て直しのための宣言”にもなってくれます。
人のせいにしない
弱音を吐く時に絶対に避けたいのが、誰かのせいにすること。
「◯◯さんがこうしてくれなかったから辛い」
「△△部署のせいで、こんなに大変になった」
こうした言葉は、チームの雰囲気を悪くするだけ。あくまでも「状況」を語るに留めて、特定の誰かを責めないことも大切です。
誰かを下げない
弱音を吐く時、つい比較したくなることがあります。
「あの人は楽そうでいいよね、それに比べて私は…」
なのですが、誰かを下げることで自分の辛さを正当化しようとすると、結局は自分自身の評価も下がってしまうもの。
状況を語るだけで、誰も貶めない。
そのことで、次へとつなげていこうという気持ちの立て直しもできるのです。
弱音は崩れ落ちるためじゃなくて、立て直すためのもの
そう、弱音は崩れ落ちるためじゃなく、立て直すためのもの。
上司だって人間。弱音を吐きたい時は、吐いていい。ただし、「しんどい」と「だから今こうする」をセットで。人のせいにせず、誰も下げずに。
そうやって弱音を吐くことは、あなた自身を守るだけでなく、チーム全体の心理的安全性を高めることにもつながります。
それこそが、本当の意味で”強い上司”なのかもしれません。
ショート動画にも撮りました。合わせてご覧ください。



