我が職場にて、定期的な1on1(上司と部下の1対1面談)をおこなっている最中。
今回は「なにごとにも批判的&斜に構えているタイプで、ややニガテな部下さん」との面談。あまりお互いの関係性もよいとはいえません。
でも、こういう場でないとなかなか本音を聴かせてもらうことができない。せっかくのチャンスなのにどうしよう…。
悶々と悩んでいたところ、組織人材コンサルタント/企業研修講師/心理カウンセラー 小倉広さんの新刊『任せるリーダーが実践している1on1の技術』が出版されたことを知り、さっそく購入。
そこに書かれてあった「あること」を取り入れてみました。
「三角柱」
それは「三角柱」です。
対話を始めて「傾聴する」「自分ばかり喋らない」といったことを心がけてはみるものの、
「◯◯が悪い」「認めてくれない」…ネガティブワードが次々飛び交い、なかなかに苦戦します。
つい「イラッとムカッと」しちゃいがちなところをぐっと堪え、本書にあった「三角柱」を思い出して問いかけてみます。
- 「かわいそうなあなた」を徹底的に語りますか?
- 自分を認めてくれない周囲へ「恨み節」を語りますか?
- 「これからのこと」を語りますか?
すると。
「会社が自分に何を期待しているのかを知りたいです」
うん、解ったよー。「これからのこと」を話そう。
ちょっと雲行きが好転してきました。
自分がどうしたいか?会社はなにを期待しているか?の刷り合わせ
「今のままでは終わりたくない。上を目指したいのです」
「担当チームの管理だけでなく、会社全体のいろいろなことに関わりたい」
前向きなコトバが出てきます。
それっていいね。ただ、今の組織にどう当てはめていけばいいか?すぐに答えが見つけられないから、ちょっと時間をくれないかな?
あなたの強みを発揮してもらうのには、各部署と関わって、横串役になってくれるのがいいと私も思う…と返します。
自分がどうしたいのか。会社は何をあなたに期待しているのか。摺り合わせです。
その後も細かな点を「ああしようか、こうしようか」と話し合いをして、面談を終えようとしていたとき。最後に私が言いたかったことを伝えました。
「あなたはいいところもあるけれど、ともすると批判的になりがちと感じるのよねー。直したほうがいいんじゃないかな。損するだけだから」
多少の反論は言っていましたが、「はい、解りました」と返事が聞こえてきたので、ほっとしました。
せっかく考えを伝えてくれたのだから、できるかぎり応える
さて。ここからは私のガンバリどころです。
トップを説得して、あらたな役割を設定する。
そこに、この部下さんをアサインする。
出来る限り応えて、実現に向けていかねばなりません。
そうしないと、せっかくの「1on1」も、ただの"絵に描いた餅"に陥ってしまう。
結局。
対話を通して、部下さんのやりがいを導き出して、会社全体もよりよくしていく。
これがいちばん大切なことなのです。
最後にひとこと
ドキドキしながら臨んだ今回の面談、なんとか終えられました。
後日談ですが、彼の気概を私も精一杯上司にアピールして無事管理職昇格を果たしてもらったときは、我が事のようにとても嬉しかった。
本人もいつもの斜に構える様子はどこ吹く風、満面の笑みを浮かべて「ねーさんに感謝しています」と言ってもらえて、尚更喜びもひとしおです。
まだまだこの書から学ぶことはたくさんある。引き続き参考にさせてもらいます。