「それは、誰のため?」——言葉ひとつで伝え方が変わる、部下にあえて問いかけた理由
こんにちは。女性管理職21年の いくみ(@nesan_blogger)です。
「それは、誰のため?」
先日、部下さんにそんな問いを投げかけた出来事がありました。
ベテランの域に入っている部下さんには、あまりアレヤコレヤと言わないしないのが私の考えではあるのですが、今回はちょっとこだわってしまったのです。
普段なら任せて見守るところを、あえて立ち止まってもらった。それくらい、私の中で引っかかるものがあったのですよね。
解説します。
参加率ではなく、社員の健康増進のため

我が部署では、ある取り組みを定期的に行っているのですが、そこへ一件の問い合わせがありました。
育児休業中の社員さんから、「休職中も対応したほうがいいですか?」という内容です。
担当の部下さんに確認してみると、「休職中の方は参加しなくても実績にカウントされないので、大丈夫です」との答え。
ここで、ちょっと違和感を持ちました。
確かに、参加率は部署の業績として評価される指標の一つです。だから、休職中の方は対象から外して問題ない——数字の上では、まったくその通り。部署の評価を気にしてくれたのは、ありがたいことでもあります。
でも、ポイントはそこじゃないのですよね。本末転倒してしまっていないかしら?と。
この取り組みは本来、社員の健康増進のために行っているもの。数字を上げることが目的なのではなく、一人ひとりが元気に働けるように、という願いが先にあるはずなのです。もちろん休職中の方に「必ず参加」とは言いません。でも、伝え方が違うのです。
言葉ひとつで、相手に届くものがまるで変わる
「参加しなくても構いません」と言ってしまうと、きっとこの社員さんは参加しないでしょう。気をつかって遠慮してしまうかもしれませんし、「自分は対象外なんだ」と線を引かれたように感じるかもしれません。
でも、「休職中でも参加できますよ。よかったら健康に役立ててくださいね。ご都合に合わせて決めていただいて構いません」
——こう伝えれば、どうでしょう。生まれたばかりのお子さんのケアで大変かもしれないけれど、「せっかくだから」と都合をつけて参加されるかもしれません。少なくとも、「気にかけてもらえている」という気持ちは残るはずです。
同じ「参加は任意」でも、言葉ひとつで、相手に届くものがまるで変わります。事実は何ひとつ変えていないのに、受け取る側の心持ちはこんなにも違ってくる。
部下さんは「わかりました」と言ってくれましたが、しばらくは何やら考え込んでいた様子…。すぐに腑に落ちなくても、しっくりこないことがあればまた私に壁打ちしてきてほしいし、この気づきが、今後の彼女の仕事に少しでも役立つようなら嬉しいです。

最後にひとこと
「この仕事は、いったい誰のためのものなのか?」
日々の業務に追われていると、いつのまにか「数字のため」「評価のため」に手段と目的が入れ替わってしまうことがあります。
そうならないように、ときどき立ち止まって、問い直すことを忘れないようにしたい。
この出来事があって、あらためて気づかせてもらいました。
一部上場企業にて女性管理職21年の私が、あなたの悩み解決をお手伝いします。すでに女性管理職で活躍されている方、これから目指したいと思っている方、女性管理職とともにお仕事をされている男性の方、企業の育成担当者の方、どうぞお気軽にお問い合わせください。