こんにちは。女性管理職20年の いくみ(@nesan_blogger)です。
部下さんが辛そうにしている時、つい「きっといい経験になるよ」「頑張って」といった前向きな言葉をかけてしまいがちですが、実はこれが逆効果になってしまうことがあるのをご存知でしょうか。
管理職の「励まし」が部下さんを追い詰める。
事例も交えつつ、解説します。
部下さんの気持ちを置き去りにしていませんか?
管理職として部下さんと向き合う中で、こんな経験はありませんか?
「プロジェクトが上手くいかなくて落ち込んでいる部下さんに『でも、この経験は必ず次に活かせるから』と励ましたのに、なんだか微妙な反応をされた」
「失敗を報告してきた部下さんに『大丈夫、あなたなら乗り越えられる』と声をかけたけれど、その後距離を置かれているような気がする」
実は、私たちが「励まし」だと思っている言葉が、部下さんにとっては「気持ちを分かってもらえない」という孤独感を生み出してしまっているかもしれません。
この記事を読んでいただくことで、部下さんが求めているコミュニケーションの形が分かり、信頼関係を深めながら効果的なメンタルサポートの参考にしてもらえます。
人には「気持ちを受け止めてもらいたい」というニーズがある
たまたま、友人とこの話題で話をしていた時に気づいたことがあります。
「気持ちを分かってほしい時にポジティブに返されると、『ありゃ』ってなっちゃいますよね。もう少し凹んでいたい時もありますし、時間とタイミングって大事」
まさに、その通りなのです。
部下さんが「辛い」と感じている時、その感情をちゃんと味わって消化する時間が必要。
そのタイミングで「でも、良い経験になるから」と言われてしまうと、自分の気持ちを否定されたような気分になってしまうんですよね。
そうじゃなくて、ただ気持ちを受け止めてもらいたい。そんな時もあります。
心理学的にも、人は問題の解決策を求める前に、まず「共感」を求めるものだと言われています。
特に辛い出来事の直後は、アドバイスよりも「そうだったんだね、辛かったね」という共感の方が心に響くのです。
部下さんの心に響く声かけの解決策
それでは、どのような声かけであれば部下さんの心に響けるでしょうか。ポイントを4つにまとめます。
まずは相手の気持ちをそのまま受け止める
部下さんが「苦しい」と言ったら「苦しかったね」と、そのままの気持ちを受け止めて返してあげる。
部下さんが「辛い」と言ったら「辛かったね」と、同じ言葉で返してあげる。
シンプルですが、これだけで相手は「分かってもらえた」という安心感を得ることができます。
時間とタイミングを大切にする
「もう少し凹んでいたい時もある」という友人の言葉にあるように、感情の整理には時間が必要。
すぐに前向きな言葉をかけるのではなく、相手が自分のペースで気持ちを整理できるよう、そっと見守ることも大切な管理職の役割です。
本人の気づきを待つ
時間が経てば、本人だって「この試練は次につながっているんだろう」って自ら思えるようになります。
わざわざその後押しをしなくても、人は自分なりに経験から学び、成長していくものなのです。
私たちが「励まし」だと思っていることが、実は「急かし」になってしまっている可能性もあります。
一人一人に合わせたコミュニケーションを心がける
部下さんとのコミュニケーションに「これだ!」という一つの正解はありません。
その時の状況、相手の性格、タイミング、これまでの関係性…色々な要素を考慮しながら、一人一人に合わせた対応を心がけていくことが大切です。
まとめ:真の共感が信頼関係を築く
管理職として部下さんをサポートしたい気持ちは大切ですが、「励まし」や「アドバイス」よりも、まずは相手の気持ちに寄り添う「共感」から始めることが重要。
「苦しかったね」「辛かったね」
そんなシンプルな言葉が、部下さんの心を軽くし、あなたへの信頼を深めることにつながるのです。
時間とタイミングを大切にし、一人一人の部下さんと向き合いながら、より良いコミュニケーションを築いていきましょう。
完璧な管理職なんて存在しません。私たちも日々学びながら、部下さんと一緒に成長していけばいいのです。
大切なのは、相手の気持ちに真摯に向き合おうとする姿勢。それがあれば、きっと伝わるはずです。