親と子の関係はそれぞれの家庭に様々なかたちがあって、千差万別なもの。
私は長年、親のことを苦手にしていました。その理由は後でご紹介させていただくとして
苦手意識がつい最近になって払拭され、逆に「親は人生の師である」とあらためて気づいたのです。
自分自身も還暦近い年齢なので「今更?」ってビックリされるかもしれませんが、ご両親との関係に悩んでいるあなたに参考にしてもらえたら…と、この記事を書くことにしました。
なぜ、私は親のことを苦手にしていたのか?
まずは、私が親のことを苦手にしていた理由について。
一言で表すとしたら「認められていない」と感じていたからです。
ここで、我が実家のことを少し詳しくお伝えしますと、
両親と姉と私の4人家族。
父も母も昭和ヒトケタ生まれで、勉強をしたくても進学もままならない時代を過ごしてきたからか、とても教育熱心。
姉はその期待に常に応えようと努力を重ねて親の望む大学に進学して、親の望む職業に就きました。
妹の私も途中まで親の期待に応えるべくやってきたつもりですが、いつの間にかレールを外れて、高校生くらいからすでに「好きなように生きる」道を極める人生を選んでしまったのです。
とくに「コレ」といいう理由があるわけではなく、そのほうが楽しかったから。
結果、親曰く「名前を聞いたこともない大学」に進学し「名前を聞いたこともない会社」に入社し、おそらく、ことごとく期待を裏切ってきたのでしょう。
何かにつけ「お姉ちゃんは優秀だけど妹は…」と言われ、それは大人になってからもずっと変わらずで、結果「私は認められていない」と思い込むに至ったのです。
両親だけでなく、姉からも「認められていない」と感じることが多く、「私 VS 両親と姉」の1対3みたいな構図がすっかり定着していました。
苦手にはしていたけれど、辛いとは思っていなかった
そうして「親への苦手意識」がずっと続いていくのですが、とくに辛いと思っていたわけではなく、むしろ「私は私の道を行く」ということが心地いいとすら感じていました。
親が認めていないのなら、自分は自分のことを精一杯認めよう。
私は他人から「いつも明るくて元気」と言われることが多いのですが、この「自分のことを精一杯認める」というのがその所以でもありそうです。
ただ一つ、自分が親になったときに「子どものことは何をしていても全て尊重する」と固く心に誓っていて、両親がある意味"反面教師"になった「ささやかな抵抗」かもしれません。
親が最も身近な「人生の師」と気づいたこと
そんな私ですが、親が最も身近な「人生の師」と気づいたこと。
父が90歳、母が89歳になってもハツラツとして元気な姿を見せてくれたのがキッカケでした。
なぜ、この2人はこんなにも元気なのだろう?
たまにしか会う機会はありませんが、その様子を観察していると、とにかくよく食べよく笑う。そして、好きなことをして楽しんでいます。
昭和の激動の時代を生きてきて、父も母も、きっと色々と我慢の連続の人生だったことでしょう。
好きなこともできずに、行きたい学校にも行けずに、懸命に働いて懸命に家庭を守ってきて。歳を重ねていくうちに、いつしかその鎧から解放されて「こうあるべき」「こうしなくちゃならない」って以前はよく口にしていたことを言わなくなって(と、いうより言う必要がなくなって)
あるときまでは「厳格さ」のオーラがひたすら漂っていた2人ですが、今はすっかり「おおらかさ」のオーラに切り替わっている。
その姿を見て「こんなふうに長生きしたい」と素直に尊敬の念が湧いてきたのです。
私が目標としている「100歳以上生きる」の師がこんな身近なところにいたなんて。
あらためて感謝の気持ちでいっぱいになりました。
ご両親との関係に悩んでいるあなたへ
ご両親との関係が上手くいかないと悩んでいるあなたへ。
私は「悩んでいる」って顕在意識にはなかったですが、心の底ではどこか悩んでいたかもしれない。
何かの理屈じゃなくって、親が高齢になって自分も年齢を重ねて、あるときにふっとそれが解消することってあります。
還暦近くなって気づいた私のような事例もあるから、きっとあなたも大丈夫。
上手くいかないことって、ずっとそのままじゃないことも多いものです。
最後にひとこと
この記事を書いているのが、父が90歳で迎えた「父の日」を両親とともに過ごした日です。
母から連絡があって「父の日にお父さんの好きなお肉料理屋さんに行くから、あなたもどうぞ」と誘ってもらって、まぁ2人ともよく食べる&よく笑うこと!
以前よりパワーUPしているのでは?とすら感じてしまいました。
2020年からずっと続いているコロナ禍で出かけないってのがとてもストレスだったらしく、緊急事態宣言の最中でも出かけることを楽しむことにしたそうです。
何気ない会話のなかで母が私に向かって掛けてくれた言葉が「あなたも偉くなったわねぇ」
どうやら、私が会社の管理職であることを褒めてくれたようです。管理職になってもう16年経つんだけれど…ま、それはさておき。
母が私を褒めてくれたって、後にも先にもこれが初めて。嬉しくなりました。