管理職をやっている仕事柄もあって、「人前で話すことが極端に苦手」という意識は、実はあまりありませんでした。
しかし一方で、「話し方に独特の特徴があって、聞きづらい」と言われたことも幾度かあり、そのやり方にずっと悩んでいたのです。
そんな私の悩みに寄り添って助けてくれるくれる一冊の本。声と話し方の専門家・フリーアナウンサー 下間都代子さんの『今すぐ!思わず!もう一度!人前で話したくなる声と話し方』です。
最も刺さったことが
【人前で話すうえで一番大切なのは、スキルや才能ではなく、話したいことを相手により分かりやすいように組み立て、心を込めて伝えること】
ご紹介します。
「スピーチマップ」が、話すことの軸を作ってくれる
この本の大きな特徴は、著者オリジナルの「スピーチマップ」
ジャンルやテーマを整理、話のメインとなる道筋を明確にし、どこで話を広げ、どこで締めくくるのかを可視化していくためのとても貴重なツールです。
「話すこと」が、一本の地図として目に見える形になる。今後はこのマップをもとに準備を進めていけば良いのだ。それだけでも、悩みや不安が軽くなってきます。
特に印象的だったのは、人前で話すうえで最も大切なのは「スキルや才能ではなく、構成と想い」だと、繰り返し伝えてくれている点です。
話したいことをきちんと組み立て、心を込めて伝える。
その積み重ねが、「相手に伝わる話」となり、相手に喜んでもらえる体験になるのだと、腑に落ちました。
豊富な”話し方のお役立ちメソッド”
スピーチマップの作り方の詳細や幾つもの事例を示してくれているのに加えて、話し方にお役立ちなメソッドが豊富に解説されている点もとても参考になります。
- 心をつかむネタの見つけ方
- 話の構成術
- 人を惹きつける声と話し方
- 人前で話したくなる「SNS」ライブ配信
- 使える話のネタ&フレーズ集
特にここのところ、SNSライブを精力的にやっていて、でもなかなか上手くいかないことにも悩みを抱えていた私にとって、気づきの連続でした。

エピローグの言葉に感動
そして、本書のエピローグにもとても心に残る一文があります。
「スキルがないから、経験や実績が足りないから、と決めつけてはいけない。自分自身の心が強く動いたときの話は、他人の心も動かす」
この言葉を読んだとき、「こんな話し手になりたい」と、あらためて心に刻みました。
うまく話そうとしなくていい。
正解を探さなくていい。
自分の人生の中で、心が動いた出来事を、
誠実に言葉にして届けること。
話すことが苦手な人にも、私のように周囲から「聞きづらい」と言われて悩んでいる人にも「話すこと」「伝えること」の喜びを実感できる。
ぜひオススメの一冊です。



