「別の夢を追い求める」―新卒が抱く退職願望と未来への一歩

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4月に入社したばかりの新入社員(新卒さん)がもう辞めてしまった…というニュースをよく耳にします。

私自身は「近頃の若者たちって…ったく!」などと世代の特性からこうしたことを語るつもりはありません。

なぜならば、ある時期、我が組織で毎年新卒さんをお迎えしていて、少なからずそうした部下さんが存在していたからです。

何が原因なのだろう?自分の経験を振り返りつつ、解説します。

 入社の翌年に退職

10年くらい前のことです。

新卒さんの中で「入社後数日または数ヶ月で退職」というパターンはありませんでしたが、最速だったのが1年。つまり、入社した翌年の3月には退職をしてしまった部下さん。仮にAさん、と呼びます。

実はAさん、なかなかに特徴のある(言い方を変えると、手のかかる)タイプで、研修期間を終えて現場配属になって以降、何かと「斜に構えたような」「人を見下すような」言動が気になっていました。

このタイプは正面から対峙しようとすると上手くいかないこともありがちのため、いちいち注意せずとりあえずじっくりと付き合うことに。

ところどころ「カチン」とくることもしばしばですが、ま、そこは流します。

業務を少しずつ習得して周囲から褒められるようになると、自然とそのキャラも和らいでいって(おそらく、不安な気持ちがあって、それを隠す為に斜に構えたり見下そうとしたり…と、なんらかの”鎧”を被っていたのかもしれません)

それまでしかめっつらをしていることが多かったAさんが、にこやかにしていることも増えて、業務での成長っぷりもいい感じで、これからどれだけ活躍してくれるのか楽しみでした。

「別にやりたいことがある」のが理由

そんなとある日。

Aさんが入社してそろそろ1年経とうとしていた、確か2月頃だったと記憶しています。

「いくみさん、ちょっとご相談があります」

あら?何だろうと話を聴いてみると

「一身上の都合により退職させていただきます」

えーー??何?どうしたの??
多分私「鳩が豆鉄砲を食らった」ような顔をしていたに違いありません。

なんでも、先輩に誘われて人材ビジネスの仕事を目指すことにしたそうな。

Aさんの職種は「研究開発」で全く畑違い。しかも理系学部出身のAさんだからこそ、研究職に就いていたのです。
人材ビジネス?何故?それ、今の仕事何年か続けた後でもいいんじゃないの?

私自身も人材ビジネスの経験が長かったこともあって、色々な経験があってこそ強みが発揮できる業種でもあるよ、という実感も伝えましたが、本人の意思は揺らぎません。

どうしても「人材ビジネス」がやりたくて溜まらない、この先輩と一緒に仕事がしたい、とのこと。そこまで強い想いなのならば仕方ないです。

時代変われど人の気持ちは大きく変わらない

最近のネットニュースで「新入社員が辞めたい理由」についていくつか載っていました。

・事前に聞いていた業務内容と違っていて、キャリアプランが不安になった
・給与が低い・昇給が見込めない
・人間関係が悪い/うまくいかない
・社員を育てる環境がない
・ほかにやりたい仕事がある

Aさんはこの5番目の理由に当たります。時代変われど人の気持ちは大きく変わらないものだと、あらためて思うのですが

私は「石の上にも3年」ってやっぱり大事だと考えているので、1年も経たないで”見切り”つけるのって、ちょっと早すぎるよなぁ。

人の人生はそれぞれですから、異なる価値観を否定するつもりはありませんが、「継続は力なり」とも言いますし。

Aさん、今、どこで何をしているのか?
知る術も無いですが、あの時の選択をもとに活躍されているであろうことを願って止みません。

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一部上場企業にて女性管理職19年の私が、あなたの悩み解決をお手伝いします。すでに女性管理職で活躍されている方、これから目指したいと思っている方、女性管理職とともにお仕事をされている男性の方、企業の育成担当者の方、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

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いくみ@女性管理職&ブロガー(ねーさん)

ビジネス書著者、講師(女性管理職の専門家)、ブロガー、ワーキングマザー30年。

40歳で正社員復活し、現在は上場企業で19年管理職。「人生100年、仕事やライフワークや色んなことにチャレンジしつつ、めいっぱい楽しもう!」というビジョンのもとブログを始めとして、SNS、メルマガで情報発信中。山手線 全駅の記事も人気。2023年4月初出版『女性管理職が悩んだ時に読む本』好評発売中。

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